モリコーネと守破離
エンニオ・モリコーネ、2020年7月に91歳で旅立った音楽家。
映画『モリコーネ』は、彼のドキュメンタリー作品。
急遽、時間ができたので、とんで行きました。
いや~とても強く、美しく、たくましい、素晴らしい作品。
鑑賞後、パンフレットをこの何十年と買ったことがない私が、買ってしまったほどステキでした。
一般の方々は彼を知っている人は少ないかもしれません。
大河ドラマ『武蔵 MUSASHI』で音楽を担当されたというと、わかる方もいるかもしれません。
これより映画『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』、
『ニュー・シネマ・パラダイス』、『ミッション』、『海の上のピアニスト』、『夕陽のガンマン』等などの音楽を手掛けた作曲家の方が、わかりやすいでしょうか?
彼の音楽はコミカルなものもありますが、個人的には静かに強く訴えてくる音楽、メロディが多いと感じています。
その音楽が、人々の心にものすごい感動を起こし、いつまでも心に残るサウンド。
『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』のパンフルートの音で奏でられるフレーズを聴くと、やられた~って思います。
ここからは、これから映画を鑑賞する方は、読まない方がいいかも・・・。
この映画みて、千利休が遺した言葉、“守破離” が頭に浮かびました。
守の時代
青年期、音楽院で作曲家ゴッフレード・ペトラッシから学んでいる時代。
破の時代
音楽院卒業後、『荒野の用心棒』をきっかけに、映画音楽に携わるようになる。
ペトラッシ師匠は、アカデミックな音楽家が商業音楽をすることを、よく思っていなかった。
『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』は高く評価されたが、映画音楽はもう辞めようと決心するも、『ミッション』に心揺さぶられ、素晴らしい音楽をつくる。
幾度も映画音楽を辞めようと決心し、自分の原点である室内楽の作曲に戻るが、また映画音楽の世界へ。
離の時代
『ニュー・シネマ・パラダイス』の以降だと思います。
彼独自の音楽。
『ニュー・シネマ・パラダイス』の時が60歳。
よくビジネスの世界も“守破離”は、語られますが、60歳で離と思うと、
しっくりいく気がします。
今の時代だと、もう少し歳とってからかな???
この映画には有名な映画監督や音楽家、ミュージシャンが出演しています。
誰だったか忘れましたが、彼の音楽はほんの少し聴いただけで、モリコーネとわかります、と言っていました。
離の境地までいかれた方は、作曲家に限らず、どの分野の芸術家でもそうだと思います。
映画みて、より彼の音楽が好きになりましたね。
さらにまだまだ知らない音楽があるので、聴き込みたいとも思います。
最後に、驚いたこと。
映画に登場するアーティストに、パット・メセニーやクインシー・ジョーンズがいたこと。
彼らが語る言葉にも注目したいところです。
音楽にジャンルなんて関係ありませんね。
この曲は今日知った、感動の曲
これを歌っているドゥルスさんの声はそれこそ魂の声だと、感じます。
静かだけど、力強い!